地震大国としての備え
地震大国である日本では、地震がおきない場所はないと言われるほど全国各地で発生しています。また、記録的な大地震を振り返るとそれぞれに特徴があり、同じ揺れ方はありません。
いつ、どこで、どのくらいの規模で発生するか正確に把握することが難しいとされる大地震から「みなさまの大切な建物資産を守る」ための地震に備えた工事に携わることは、わたしたちにできる社会貢献のひとつです。
免震の技術
免震のメカニズム
地盤と建物の間に免震装置を入れることにより、両者を絶縁し、建物が受ける影響を弱めます。
一般的な免震装置は、アイソレーター(積層ゴム)とダンパーで構成されます。
アイソレーターは、激しい地震力を吸収してゆっくりした水平の揺れに変え、ダンパーは、ゆっくりした揺れを早く止めるための吸収装置です。
建物や内部の設備、家財等の破損や倒壊を防ぎ、人命を守ることに繋がります。
MST免震システム
MST免震システムは、「すべり支承+復元ゴム」方式を採用することにより、社寺建築物や3~4階建までの低層建物に適しています。
従来の免震工法と比較すると低コストで高性能な点が特長です。
「すべり支承+復元ゴム」方式の変形時のイメージ
免震部材を受けている下部板をすべり支承免震装置が変形し、地震力を抑制
制振の技術
制振ダンパー装置を取り付けることにより、地震や台風などによる揺れに対して建物の損傷を防ぐことに繋がります。
伝統木造建物の水平構面制振補強方法
既存建物に設置する制振ダンパー装置が揺れのエネルギーを吸収し、伝統的な木造建物を地震や台風などから守る方法です。
- 《特徴》
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- 壁を増設することなく、耐震性能を向上できる
- ダンパーは人目に触れない場所に設置するため、外観を損なわない
- ダンパーは軽量化が図られ設置が容易
- 豊富な設計バリエーション
伝統木造建物の水平構面制振補強方法は、東京大学 坂本功名誉教授、三重大学 花里利一名誉教授のご指導のもと、当社とSWCC株式会社(旧昭和電線ケーブルシステム)が共同開発したもので、2者の共有特許となっています。
伝統木造建物の柱脚部制振補強方法
- 《工法概要》:
- 柱脚部が固定されていない伝統木造建物の柱脚部に制振装置を取り付けることにより
耐震性能を向上させることができます。
本工法のメリット
- ・人目に触れない床下の柱脚部で補強が行える。
- ・耐力壁を増設することなく耐震性能を向上させることができる。
- ・柱脚部を制振装置で覆うため、柱の横ずれを防止することができる。
- ・制振部材は、粘弾性ダンパーを使用することで、メンテナンスが不要で大地震後でも交換が不要である。
性能確認実験
伝統木造建物の水平構面制振補強方法は、東京大学 坂本功名誉教授、三重大学 花里利一名誉教授のご指導のもと、当社とSWCC株式会社(旧昭和電線ケーブルシステム)が共同開発したもので、2者の共有特許となっています。